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危機一髪!

2010.10.29.01:41

今日、いつものように遅刻しながら病院に行って、
新生児の回診を終えたころ、婦人科の先生と看護師長さんが、
あわてた顔で病棟に駆け込んできました

「重症の肺炎!」って叫んで連れてこられた、
生後一か月になるその子は、
顔が真っ青を通り越してお地蔵さんのような黒い色
血液の酸素飽和度(サチュレーション)はなんと59%
がんばって呼吸をしようとはしてますが、手足は冷たくなり、
今にもアウトになりそうな状態。

こんな時、呼吸ができなくなった原因として、主に
1)肺の問題
2)心臓の問題
があって、(1)だと、酸素を大量に吸わせないといけないし、
(2)だと、酸素を吸わせてはいけないことが多いので、
治療法が正反対になってしまいます。
緊張しながら肺と心臓の音を聴くと、
心臓の音は正常で、肺の音は、雑音だらけで、か細い音しかせず、
どうも(1)の肺の問題みたい。
いわゆる「重症の肺炎」でよさそうです。

治療方針が決まったので、とりあえず酸素を吸わせて、
冷たくなった手に緊張しながら点滴を入れて、
なんとか、皮膚の色はピンクになってくれました。
ふーっ

肺炎の原因は分りませんが、おそらく、RSウイルスという、
この前も出てきた、子供には厄介なウイルスでしょう。

とりあえず、一命はとりとめたものの、
日本だと、間違いなく集中治療室で人工呼吸器を使うような、
とっても重症な肺炎。
これからも、いろいろ合併症が起こるかもしれないし、
起こらなくても、ここまでの肺炎だと、
治るまで時間はかかりそう。
治ってからも、肺や気管が痛んでしまうと、
今後も肺炎や気管支炎を何度も繰り返してしまいます。

でも、まずは、助かったことに感謝。
とても口から母乳を飲める状態ではありませんが、
口から胃の中に入れたチューブを使って、
お母さんの母乳を消化して、
お母さんから力をもらって、
何とかがんばってほしいものです。
DSC02018-2.jpg
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♥. ♠. ♣Alice
プロフィール

ハマダラカ

Author:ハマダラカ
職業:元小児科医、現在なんでも屋的医師を目指して修行中
日本を、そして海外を、自由に移動しては、
働いたり遊んだりの、
自称フリーター医師。
しばらくタイにあるビルマ難民向け病院でボランティアしてましたが
現在岩手県の被災地にある病院に来ました
関西人のつもりですが、心のふるさとは北九州市
facebookはこちら↓
Toru Yoneda

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