相手を認める、信頼するということ
2011.01.29.23:25
勝手に2月を「Dr.TORUのレクチャー強化月間」にして、一週間が経過。
僕が少し話すことに慣れてきたのか、
以前と比べて、かなり楽に話すことができるようになりました。
決して英語がうまくなったわけでもなく、
もちろんビルマ語が話せるようになったわけでもないですが。
レクチャーの準備をしてて、気がついたことがあります。
以前は、
「日本人の医者として、ここに来たからには、何か仕事を残さないと」
「ここのスタッフの間違った知識や習慣を直さないと」
なんて、ここのクリニックのスタッフがまだまだ未熟で、
言うことやることが怪しくて、
だから、僕がいろいろと講義をして、指導をしなきゃ、
と思ってましたが、
ふと気がつくと、それほど気になることが多いわけではない。
患者さんの中で、一番数が多い病気は、
風邪~気管支炎~肺炎、いわゆる「呼吸器感染症」で、日本もビルマも同じですが、
このあたりの治療は、日本と比べてそれほど劣ってる訳ではありません。
もちろん、使える薬、手に入る薬が限られるので、
使えない薬、できない治療方法に関する知識は限られてますが、
いわゆる「野戦病院」「難民クリニック」なんていう言葉では片づけられないほどの
知識と技術を、彼らはちゃんと身につけています。
数日前、とある西洋人(ヨーロッパ人)が、
「ここのクリニックで、抗生剤の使用量が多いけど、濫用してるに違いない」と
僕や同僚のカナダ人のスタッフに聞いてきましたが、
日本やカナダと比べて、抗生剤の使用基準はむしろ厳格で、
「熱がある人には抗生剤」が当り前な日本より、
風邪や呼吸器感染症や胃腸炎の治療はレベルが高いと思います。
ここのスタッフが信頼できず、
「彼らは間違ったことや遅れたことをやってる」という先入観で相手を見ると、
間違ったところ、おかしなところだけに目が行ってしまって、
ちゃんとしているところ、素晴らしいところをきちんと評価せずに、
ひたすら「あらさがし」をやってたんだなあ、って気づきました。
なので、以前のレクチャーは、教科書の一節の、隅から隅までをカバーするようにして、
そして、欧米ではどのように病気を治しているのか、をひたすら説明していましたが、
今では、「本当に問題なところや大事なところ」だけを説明するようになったので、
「説明しなきゃいけない項目」が減った分、
みんなの反応をうかがったり、みんなに質問して答えるのを待ったり、
質問の時間をいっぱい取れるようになったり、で、
ちょっとは講義の質があがった気がします。
自業自得、じゃなくて自画自賛。
それより、もっと嬉しかったのが、
もっともっと、ここのスタッフを信頼していいんだ、と思えるようになったことです。
来た当初は、スタッフのあら探しをして、鬼姑のごとくこまごまと指導をして、
話を聞いてくれたら嬉しいけど、言うことが分かってもらえなかったら諦めて・・・
と、お互いに、あまり幸せな関係ではなかったですが、
少しずつ少しずつ、いつのまにか信頼が大きくなって、
今では、少なくとも僕にとっては、気楽で楽しい関係になってます。
そういうことに気づけたので、
徹夜で講義の準備をするのも、
人前で下手な英語で話すのも、
「何で未だにビルマ語が話せないんだ?」って言われるのも、
もうあまり気にせずに、
自分で勝手に楽しみながら、講義をしています。
僕が少し話すことに慣れてきたのか、
以前と比べて、かなり楽に話すことができるようになりました。
決して英語がうまくなったわけでもなく、
もちろんビルマ語が話せるようになったわけでもないですが。
レクチャーの準備をしてて、気がついたことがあります。
以前は、
「日本人の医者として、ここに来たからには、何か仕事を残さないと」
「ここのスタッフの間違った知識や習慣を直さないと」
なんて、ここのクリニックのスタッフがまだまだ未熟で、
言うことやることが怪しくて、
だから、僕がいろいろと講義をして、指導をしなきゃ、
と思ってましたが、
ふと気がつくと、それほど気になることが多いわけではない。
患者さんの中で、一番数が多い病気は、
風邪~気管支炎~肺炎、いわゆる「呼吸器感染症」で、日本もビルマも同じですが、
このあたりの治療は、日本と比べてそれほど劣ってる訳ではありません。
もちろん、使える薬、手に入る薬が限られるので、
使えない薬、できない治療方法に関する知識は限られてますが、
いわゆる「野戦病院」「難民クリニック」なんていう言葉では片づけられないほどの
知識と技術を、彼らはちゃんと身につけています。
数日前、とある西洋人(ヨーロッパ人)が、
「ここのクリニックで、抗生剤の使用量が多いけど、濫用してるに違いない」と
僕や同僚のカナダ人のスタッフに聞いてきましたが、
日本やカナダと比べて、抗生剤の使用基準はむしろ厳格で、
「熱がある人には抗生剤」が当り前な日本より、
風邪や呼吸器感染症や胃腸炎の治療はレベルが高いと思います。
ここのスタッフが信頼できず、
「彼らは間違ったことや遅れたことをやってる」という先入観で相手を見ると、
間違ったところ、おかしなところだけに目が行ってしまって、
ちゃんとしているところ、素晴らしいところをきちんと評価せずに、
ひたすら「あらさがし」をやってたんだなあ、って気づきました。
なので、以前のレクチャーは、教科書の一節の、隅から隅までをカバーするようにして、
そして、欧米ではどのように病気を治しているのか、をひたすら説明していましたが、
今では、「本当に問題なところや大事なところ」だけを説明するようになったので、
「説明しなきゃいけない項目」が減った分、
みんなの反応をうかがったり、みんなに質問して答えるのを待ったり、
質問の時間をいっぱい取れるようになったり、で、
ちょっとは講義の質があがった気がします。
自業自得、じゃなくて自画自賛。
それより、もっと嬉しかったのが、
もっともっと、ここのスタッフを信頼していいんだ、と思えるようになったことです。
来た当初は、スタッフのあら探しをして、鬼姑のごとくこまごまと指導をして、
話を聞いてくれたら嬉しいけど、言うことが分かってもらえなかったら諦めて・・・
と、お互いに、あまり幸せな関係ではなかったですが、
少しずつ少しずつ、いつのまにか信頼が大きくなって、
今では、少なくとも僕にとっては、気楽で楽しい関係になってます。
そういうことに気づけたので、
徹夜で講義の準備をするのも、
人前で下手な英語で話すのも、
「何で未だにビルマ語が話せないんだ?」って言われるのも、
もうあまり気にせずに、
自分で勝手に楽しみながら、講義をしています。
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