こころの闇を灯す言葉
2011.03.01.00:22
先々週の土曜日に、一人の女の子がお父さんに連れられてやってきました。
お父さんいわく、急にしゃべらなくなった、行動がおかしくなった、とのこと。
確かに、意思の疎通はできそうになく、意味もなく暴れてるような状態です。
そして、この子の母親も、姉も、同じ症状だと。兄は、大丈夫らしい。


こう聞いて、はじめは、何かの遺伝性の神経の病気なのか
(女の子だけに発症、というのはあまりありませんが)、
あるいは何かの中毒か
(この地域では、土壌に鉛が多いのか、鉛中毒の患者が非常に多く、
急性の鉛中毒で、神経に異常をきたすことがあります。)
などと考えましたが、
診察をしていると、どうも反応がおかしい。
単純に意識の状態が低下しているときの反応ではなく、
どうもこちらの反応を伺いながら、行動をしているような感じで、
精神的なものからくる発作のような感じです。
そして、何かに脅えている様子。
お父さんに話を聞くと、
一人で留守中に家の中にビルマ軍の兵隊たちが入ってきて、
本人は驚いて家から飛び出して森の中に逃げ込んでいた、とのこと。
ところが、おかしなことに、
この女の子は決してお父さんに近づこうとはせず、
他の男性に、助けを求めるかのように近寄って、スキンシップを求めます。
真っ先に思い浮かぶのは、
この女の子に対して、お父さんかお兄さんが、
何か精神的に傷つくようなことをしたんじゃないか、ということ。
いきなり、お父さんを悪者にして、親子別々に入院させる、というのが
理想なのかもしれませんが、ここでは、入院患者の面倒は家族が見るのが決まりなので、
止む無く、誰も使っていない隔離病棟の一室に、親子だけで寝泊まりさせて、
しばらく様子をみることにしました。
カウンセリングの人たちが、何度も何度も一日数回、病室まで足を運んで、
時には、絵を描かせたりおもちゃで遊ばせたりしながら、
少しずつ女の子の心が落ち着くのを待ちました。
そうしたら、先週の金曜日、ちょうど一週間ほど経ったとき、
ようやく、笑顔が頻繁にでるようになり、
そして、自分の名前から始まって、家族の名前が言えるようになりました。
思わず、こちらもうれしくてうれしくて、思わずガッツポーズ!!
やはり、というべきか、残念、と言うべきか、困ったことに、この女の子は、家族みんなのことが嫌いなんだそうです。
特に、お父さんやお兄さんとは一緒にいたくない、と。
早く家には帰りたいけど、一緒に暮らすのがいや、ともいいました。
そして、お父さんの話は、
兵隊ではなく、村人が入ってきた、とか、
村の中に見知らぬビルマ人の一団が工事か何かのためにやってきて
(この子はカレン族という民族の女の子で、ビルマ人とは民族が違うため、会話もできません。)
それで怖くて森の中に逃げた、とか
話を訊ねる度に、話の内容が二転三転。
どんなにお父さんによる虐待が疑われても、お父さんにこの子は養ってもらっているんですよね。
だから、お父さんと一緒に暮らすしかない。
本人とお父さんに、何度も話しかけてみて、
少しずつ、この子も、お父さんも、少しずつ、からまった過去の記憶を整理して
早く、幸福な家庭生活ができるように、いのります。
お父さんいわく、急にしゃべらなくなった、行動がおかしくなった、とのこと。
確かに、意思の疎通はできそうになく、意味もなく暴れてるような状態です。
そして、この子の母親も、姉も、同じ症状だと。兄は、大丈夫らしい。


こう聞いて、はじめは、何かの遺伝性の神経の病気なのか
(女の子だけに発症、というのはあまりありませんが)、
あるいは何かの中毒か
(この地域では、土壌に鉛が多いのか、鉛中毒の患者が非常に多く、
急性の鉛中毒で、神経に異常をきたすことがあります。)
などと考えましたが、
診察をしていると、どうも反応がおかしい。
単純に意識の状態が低下しているときの反応ではなく、
どうもこちらの反応を伺いながら、行動をしているような感じで、
精神的なものからくる発作のような感じです。
そして、何かに脅えている様子。
お父さんに話を聞くと、
一人で留守中に家の中にビルマ軍の兵隊たちが入ってきて、
本人は驚いて家から飛び出して森の中に逃げ込んでいた、とのこと。
ところが、おかしなことに、
この女の子は決してお父さんに近づこうとはせず、
他の男性に、助けを求めるかのように近寄って、スキンシップを求めます。
真っ先に思い浮かぶのは、
この女の子に対して、お父さんかお兄さんが、
何か精神的に傷つくようなことをしたんじゃないか、ということ。
いきなり、お父さんを悪者にして、親子別々に入院させる、というのが
理想なのかもしれませんが、ここでは、入院患者の面倒は家族が見るのが決まりなので、
止む無く、誰も使っていない隔離病棟の一室に、親子だけで寝泊まりさせて、
しばらく様子をみることにしました。
カウンセリングの人たちが、何度も何度も一日数回、病室まで足を運んで、
時には、絵を描かせたりおもちゃで遊ばせたりしながら、
少しずつ女の子の心が落ち着くのを待ちました。
そうしたら、先週の金曜日、ちょうど一週間ほど経ったとき、
ようやく、笑顔が頻繁にでるようになり、
そして、自分の名前から始まって、家族の名前が言えるようになりました。
思わず、こちらもうれしくてうれしくて、思わずガッツポーズ!!
やはり、というべきか、残念、と言うべきか、困ったことに、この女の子は、家族みんなのことが嫌いなんだそうです。
特に、お父さんやお兄さんとは一緒にいたくない、と。
早く家には帰りたいけど、一緒に暮らすのがいや、ともいいました。
そして、お父さんの話は、
兵隊ではなく、村人が入ってきた、とか、
村の中に見知らぬビルマ人の一団が工事か何かのためにやってきて
(この子はカレン族という民族の女の子で、ビルマ人とは民族が違うため、会話もできません。)
それで怖くて森の中に逃げた、とか
話を訊ねる度に、話の内容が二転三転。
どんなにお父さんによる虐待が疑われても、お父さんにこの子は養ってもらっているんですよね。
だから、お父さんと一緒に暮らすしかない。
本人とお父さんに、何度も話しかけてみて、
少しずつ、この子も、お父さんも、少しずつ、からまった過去の記憶を整理して
早く、幸福な家庭生活ができるように、いのります。
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