薬を飲む前に
2012.03.04.05:51
小児科から内科に変わって半年近く、
患者さんに薬を出してて、いつも思うのが、
「なんでこんなにたくさんの薬を飲んでるの??」
たいていの場合、
血圧の薬に始まり、胃薬、そしてどこかの痛み止め、高脂血症・・
肩こりの薬、
精神安定剤、
おそらく、患者さんが何かを訴えると、
それについて薬が一つ増え、
でも、薬を増やしてもあんまり効かない、いや、ちょっと良くなったかな?
ぐらいだと、そのまま続けましょう、という話になる。
昨日、西洋医学は「科学」の医学だと書きました。
患者さんを、ただの機械のように扱うのが基本だと。
でも、みなさんお気づきのように、そうではない。
たとえば、高血圧。
「血圧が高い人の中に、心臓病や脳卒中などの病気が多い」
というのは、事実です。
では、血圧の薬をのみましょう、という話になる。
血圧の薬というのは、血管を拡張させる、というのが基本です。
何千、何万人と集めてきて、薬を飲んだ人と飲まない人を比べると、
当たり前だけど、薬を飲んだ人たちのほうが平均の血圧が低い。
だからこの薬は効きますよ、と。
でも、実際、患者さんに出してみると、
そうはうまくは下がらない人も多い。
なぜでしょうか?
だって、体は、自分で血圧をコントロールしています。
「自律神経」と言って、
自分の意思とは関係なく、血圧をコントロールしたり、
心臓を動かしたり、息を吸ったり吐いたり、食べ物を消化したり、
何も考えなくても、生きていくための非常に重要な体の働きを司っています。
だから、自律神経が「血圧を上げよう」としてしまうと、
いくら薬を使っても、なかなか下がらない。
たとえば、精神的なストレスだったり、緊張したり、天気だったり、
自律神経は、外部からの刺激や環境で、容易に影響されます。
そういう
「体本来の働き」と、
「患者さんを取り巻く環境」
を無視してしまっても、なかなか思い通りにはなりません。
製薬企業は、ハイリスク・ハイリターンなビジネスをやってます。
開発した薬は何が何でも売りたい。儲けたい。
そこで、製薬企業がいろんな国の政府と、マスコミと、医者の集まりに、
薬を飲んだほうがいかに健康になれるか、をささやきます。
その結果、目標の血圧は、年を追うごとに、下がって行って、
「○○の病気を持つ人は、これぐらいまで血圧を下げましょう」
というような文句が散乱しています。
医者は基本的に科学を勉強してますが、
自律神経の働きは、科学的にはよく分かってないところが多い。
だから、自律神経の働きというものを「無視」します。
自律神経の働きどころか、患者さんの環境だとかストレスだとか、
そういったものも全部無視しようとします。
そして、「科学的なデータ」がそろってる薬だけで、
なんとか患者さんを治そうと、
あるいは、「予防医学」の名のもとに、どこも調子が悪くない人に薬を出します。
予防医学という考え方は非常に大事だし、
血圧を下げる薬で恩恵を受けている人は、何億と世界中にいます。
でも、まずは、「自律神経」
つまり、
ストレスだとか、
環境だとか、
なかなか数字に表れない、そういうところを治していかないと、
薬だけでは何ともならない。
多くの患者の「胃が痛い」という訴え、
肩の凝りや張り、
眠れないという不眠、
頭痛にめまい、
手足の冷えやのぼせ、
便秘や食欲低下。
こういった症状は、自律神経の働きが大きいところです。
自律神経が悪い人が飲んでる薬を飲むと、
これらをことごとくカバーしています。
薬を出してる医者が、こんなに大量の薬を出すことに
何の抵抗もなくなっていることが、末恐ろしいところだし、
見て見ぬふりをしたいのか
「このお薬は○○病院でもらってください」なんて言いますが、
冷静に一人一人の患者と向き合うと、
薬を飲む前に、
生活習慣を変えたり、
食生活を変えたり、
温泉やマッサージ、鍼やお灸を使ったり、
体に備わっている、自分で自分の体をコントロールする働きを、
もうちょっと使ってあげてもいいんじゃないかな?と思います。
日本の医者、特に内科医は、
自分がよく分からない分野だから、こういう話を非常に敬遠します。
でも、外科系の医者のほうは、
体が自分で治す力をうすうす実感していて、
どんなに薬を使っても栄養が足りてないと病気が治らない、という
一見当たり前の考えを医学の世界に持ち込んだのは、外科医でした。
ここに、僕が尊敬する、アメリカで働く外科の先生のHPを紹介します。
苦心して科学的に効果を証明しようとされている先生です。
http://kenkodojoclinic.wordpress.com/
こういう話は、「胡散臭い」のが多数あるのも事実です。
一番嘘っぱちなのは、
「○○さえ食べれば万病に効く!」「これでガンが消えた!!」のようなものです。
単純に病気を治す力は、科学に基づいた薬に軍配があがります。
だから何かを食べたり飲んだりするだけで全てがうまくいくはずはありません。
世の中そんなに甘くはない。
でも、体のコンディションを整えるだけで、
「病気」は治らなくても「病気だと思っていた症状」はある程度良くなります。
頭痛だったり、めまいだったり、腹痛だったり。
薬を飲む前に、まずは自分の体が持つ力を、
最大限に引き出してあげましょう。
近い将来、日本の医療経済は破綻すると思います。
そうなると、患者さんに、
今みたいに、湯水の如く薬をだすようなことはできなくなります。
一人の患者さんが使える医療費が制限される日も近いと思います。
そうなったときにも、あるいは、そうならないようにするためにも、
医者も患者さんも、薬に安易に頼ることはやめないといけないと思います。
そして、このことを、
「医療の崩壊」ととらえるのではなく、
「医療の変革」とみんなが前向きに捉えられたらいいなあ、というのが僕の願いです
患者さんに薬を出してて、いつも思うのが、
「なんでこんなにたくさんの薬を飲んでるの??」
たいていの場合、
血圧の薬に始まり、胃薬、そしてどこかの痛み止め、高脂血症・・
肩こりの薬、
精神安定剤、
おそらく、患者さんが何かを訴えると、
それについて薬が一つ増え、
でも、薬を増やしてもあんまり効かない、いや、ちょっと良くなったかな?
ぐらいだと、そのまま続けましょう、という話になる。
昨日、西洋医学は「科学」の医学だと書きました。
患者さんを、ただの機械のように扱うのが基本だと。
でも、みなさんお気づきのように、そうではない。
たとえば、高血圧。
「血圧が高い人の中に、心臓病や脳卒中などの病気が多い」
というのは、事実です。
では、血圧の薬をのみましょう、という話になる。
血圧の薬というのは、血管を拡張させる、というのが基本です。
何千、何万人と集めてきて、薬を飲んだ人と飲まない人を比べると、
当たり前だけど、薬を飲んだ人たちのほうが平均の血圧が低い。
だからこの薬は効きますよ、と。
でも、実際、患者さんに出してみると、
そうはうまくは下がらない人も多い。
なぜでしょうか?
だって、体は、自分で血圧をコントロールしています。
「自律神経」と言って、
自分の意思とは関係なく、血圧をコントロールしたり、
心臓を動かしたり、息を吸ったり吐いたり、食べ物を消化したり、
何も考えなくても、生きていくための非常に重要な体の働きを司っています。
だから、自律神経が「血圧を上げよう」としてしまうと、
いくら薬を使っても、なかなか下がらない。
たとえば、精神的なストレスだったり、緊張したり、天気だったり、
自律神経は、外部からの刺激や環境で、容易に影響されます。
そういう
「体本来の働き」と、
「患者さんを取り巻く環境」
を無視してしまっても、なかなか思い通りにはなりません。
製薬企業は、ハイリスク・ハイリターンなビジネスをやってます。
開発した薬は何が何でも売りたい。儲けたい。
そこで、製薬企業がいろんな国の政府と、マスコミと、医者の集まりに、
薬を飲んだほうがいかに健康になれるか、をささやきます。
その結果、目標の血圧は、年を追うごとに、下がって行って、
「○○の病気を持つ人は、これぐらいまで血圧を下げましょう」
というような文句が散乱しています。
医者は基本的に科学を勉強してますが、
自律神経の働きは、科学的にはよく分かってないところが多い。
だから、自律神経の働きというものを「無視」します。
自律神経の働きどころか、患者さんの環境だとかストレスだとか、
そういったものも全部無視しようとします。
そして、「科学的なデータ」がそろってる薬だけで、
なんとか患者さんを治そうと、
あるいは、「予防医学」の名のもとに、どこも調子が悪くない人に薬を出します。
予防医学という考え方は非常に大事だし、
血圧を下げる薬で恩恵を受けている人は、何億と世界中にいます。
でも、まずは、「自律神経」
つまり、
ストレスだとか、
環境だとか、
なかなか数字に表れない、そういうところを治していかないと、
薬だけでは何ともならない。
多くの患者の「胃が痛い」という訴え、
肩の凝りや張り、
眠れないという不眠、
頭痛にめまい、
手足の冷えやのぼせ、
便秘や食欲低下。
こういった症状は、自律神経の働きが大きいところです。
自律神経が悪い人が飲んでる薬を飲むと、
これらをことごとくカバーしています。
薬を出してる医者が、こんなに大量の薬を出すことに
何の抵抗もなくなっていることが、末恐ろしいところだし、
見て見ぬふりをしたいのか
「このお薬は○○病院でもらってください」なんて言いますが、
冷静に一人一人の患者と向き合うと、
薬を飲む前に、
生活習慣を変えたり、
食生活を変えたり、
温泉やマッサージ、鍼やお灸を使ったり、
体に備わっている、自分で自分の体をコントロールする働きを、
もうちょっと使ってあげてもいいんじゃないかな?と思います。
日本の医者、特に内科医は、
自分がよく分からない分野だから、こういう話を非常に敬遠します。
でも、外科系の医者のほうは、
体が自分で治す力をうすうす実感していて、
どんなに薬を使っても栄養が足りてないと病気が治らない、という
一見当たり前の考えを医学の世界に持ち込んだのは、外科医でした。
ここに、僕が尊敬する、アメリカで働く外科の先生のHPを紹介します。
苦心して科学的に効果を証明しようとされている先生です。
http://kenkodojoclinic.wordpress.com/
こういう話は、「胡散臭い」のが多数あるのも事実です。
一番嘘っぱちなのは、
「○○さえ食べれば万病に効く!」「これでガンが消えた!!」のようなものです。
単純に病気を治す力は、科学に基づいた薬に軍配があがります。
だから何かを食べたり飲んだりするだけで全てがうまくいくはずはありません。
世の中そんなに甘くはない。
でも、体のコンディションを整えるだけで、
「病気」は治らなくても「病気だと思っていた症状」はある程度良くなります。
頭痛だったり、めまいだったり、腹痛だったり。
薬を飲む前に、まずは自分の体が持つ力を、
最大限に引き出してあげましょう。
近い将来、日本の医療経済は破綻すると思います。
そうなると、患者さんに、
今みたいに、湯水の如く薬をだすようなことはできなくなります。
一人の患者さんが使える医療費が制限される日も近いと思います。
そうなったときにも、あるいは、そうならないようにするためにも、
医者も患者さんも、薬に安易に頼ることはやめないといけないと思います。
そして、このことを、
「医療の崩壊」ととらえるのではなく、
「医療の変革」とみんなが前向きに捉えられたらいいなあ、というのが僕の願いです
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