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自分への悔しさ

2010.11.10.23:09

僕が熱で寝込んでいる間、
混乱状態のビルマの街から
大勢の人々が逃げて来てたんですが、
2日間の間に、
僕の熱はあっさり下がり
ビルマの街はミャンマー政府軍の武力によって
とりあえずの平穏を取り戻したらしく、
今朝、一日ぶりにクリニックに出勤すると、
大勢のビルマ避難民がトラックにすし詰め状態で
ビルマのほうに帰って行きました。

どうでもいいですが、
やっぱり40度の熱が波状攻撃で来ると、
さすがにつらいですね。
昔、学生時代の、剣道部の合宿を思い出します
「あと一回!」「もう一回!」
頭の中と体の中で全力で運動してるような、
そんな感じでしょうか。
マラリアだとこれが何日も続くのか、と思うと、
手元にある抗マラリア薬が「伝家の宝刀」のように思えます。

で、クリニックの話に戻りますが、
僕が寝込む前からずっと入院してた子どもがいて、
肺炎ぽいんだけど、かなり強い抗生剤でも全然熱が下がらなくて
(本人は結構元気だったりするんですが)
どうも、肺に水か膿がたまってそう、というこどもがいました。
何度も何度もレントゲンを撮ってくれ、と
スタッフに頼んでたんだけど、
「上」の許可がないとレントゲンの指示が出せない、
そしてスタッフはなかなか「上」には相談したがらない、
それが祟って、診断が遅れてしまってました。
(うちのクリニックにはレントゲンがないので
地元の公立病院までわざわざ撮りに行かねばならない)
超音波の器械を使って、スタッフに、
「これが胸に溜まった水だよ~!」
って見せて、ようやく話が動き出し、
レントゲンを撮りに行ってくれたんですが
レントゲンを見てみると、想像以上に悪い・・・
ていうか、本人がなぜあんなに元気なのか??

1歳半という年齢と、これまでの経過と、
この地域で一般的な感染症、ということを考えると、
どう考えても、結核にしか思えない・・・
ビルマ(ミャンマー)の病院では、
普通の治療はかなり高額ですが、
結核とHIVの治療は無料です。
逆に、うちのクリニックでは、
普通の治療は無料ですが、
結核とHIVの治療はほとんどできません。
だから、このような患者さんは、
家族を説得して、ビルマに帰ってもらって、
向こうの病院に入院するように勧めています。
でも、このような患者さんの移動は、
ビルマに安全に帰れて、そして
ビルマの病院がちゃんと受け付けてくれる(営業している)、
ということが大前提です。

ビルマの内政状態の不安定さをどうこう言う前に、
さっさと気を利かせて
超音波で客観的に診断すべきだった、
診断があと5日早ければ、国境を越えられる時に
ビルマの病院に紹介できた、
と思うと、ちょっとのんびりしすぎたなあ、
と悔やまれます。
今日は、赤ちゃんの点滴も失敗続きで、
悔しいニュースばかりの1日でした
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プロフィール

ハマダラカ

Author:ハマダラカ
職業:元小児科医、現在なんでも屋的医師を目指して修行中
日本を、そして海外を、自由に移動しては、
働いたり遊んだりの、
自称フリーター医師。
しばらくタイにあるビルマ難民向け病院でボランティアしてましたが
現在岩手県の被災地にある病院に来ました
関西人のつもりですが、心のふるさとは北九州市
facebookはこちら↓
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