日常に戻る人と新たな日常を作る人
2010.11.12.00:00
先週日曜日のミャンマー総選挙の際の内乱で、
大勢の避難民が国境の川を越えてメソットまできましたが、
火曜ごろには情勢が落ち着いてきたため、
みんなぞろぞろと自分の家に帰り始めていました。
昨日(11/11)には、一時収容キャンプは空っぽです。
でも、元の生活に戻って行く人と対照的に、
多くの赤ちゃんが、メータオクリニックに運ばれてきました。
一人は、1200gしかない低体重児です。
まさに選挙の当日にミャワディーの公立病院で生まれ、
なんと、翌日そのまま退院!!
一般の赤ちゃんは、翌日にみんな退院していきますが、
自分でおっぱいも飲めないような赤ちゃんを
そのまま退院させるとは!!
というより、向こうの病院のスタッフが
何て言ったかは知りませんが、
医療費が高いから、未熟児だろうとなんだろうと
普通の人はなかなか入院できないんですよね。
で、連日のドタバタのせいでうちのクリニックに来ることもできず、
丸1日家で普通におっぱいを吸わせてみたりしてたらしい。
顔を見て、思わず出た一言「よ~来れたな~」
確かに、体重は小さいけど、
根性が座ってるのか、戦乱の中でも自宅で生きていけそうな、
しっかりした赤ちゃんでした。
そして、昨夜、ついに800gの赤ちゃんが生まれました。
「妊娠6か月」っていってたけど、
もう少し成熟してるかも。
人工呼吸器なしでがんばって呼吸はできてますが、
いかんせん、あっという間に体温が下がってしまいます。
そして、点滴が至難の業。
スタッフが苦心したけど、どうにもとれず、
鼻から胃の中にいれたチューブに
点滴用の砂糖水のようなものを入れて、
なんとか水分と糖分を補えるようにしてました。
お坊さんみたく髪の毛を剃って、
頭の表面のほそ~い血管にやっと点滴が入りましたが、
今後がんばっていけるか、
彼女の生命力に期待です。
妊婦さんに、精神的、あるいは身体的な負担がかかると、
どうしても早産で生まれてくる確率が高くなります。
そして、お母さん自体の健康状態が良くないと、
当然赤ちゃんは小さい。
体重が小さくても、おなかの中にいた週数があると、
肺や脳や皮膚や、他の内臓が成熟してくれてるんですが、
生まれてきた赤ちゃんがどこまで環境の変化に耐えられるか、
こればかりは見守るしかありません。
でも、こうやって書いてしまうと
「赤ちゃんがかわいそう」
とか
「おかあさんが大変だ」
「この子はこれから無事に育つんだろうか」
という話だけが強調されてしまうんですが、
そして、もちろんそういう面は非常に大きいんですが、
産科病棟の師長さんは、
この未熟児ちゃん(日本では、超未熟児、略して超未ちゃんっていいます)
の泣いてる姿を見て、
もうちょっと前向きな、
「この混乱の中で生き延びてくるだけの運があったんだ」
「自分でしっかり泣いて呼吸して、この子は強い」
と話してくれました。
今は本人も大変だし、母国も大変だし、
でも、今頑張れば、明日は変わっていくかもしれない。
変わっていくかも・・ではなくて変えていける。
そして、この子の周りにいる人みんなにとって、
これまでの日常ではなく、
あたらしい日常がやって来ます。
この二人の赤ちゃんを見てると、
そういう風に思えてきます。
大勢の避難民が国境の川を越えてメソットまできましたが、
火曜ごろには情勢が落ち着いてきたため、
みんなぞろぞろと自分の家に帰り始めていました。
昨日(11/11)には、一時収容キャンプは空っぽです。
でも、元の生活に戻って行く人と対照的に、
多くの赤ちゃんが、メータオクリニックに運ばれてきました。
一人は、1200gしかない低体重児です。
まさに選挙の当日にミャワディーの公立病院で生まれ、
なんと、翌日そのまま退院!!
一般の赤ちゃんは、翌日にみんな退院していきますが、
自分でおっぱいも飲めないような赤ちゃんを
そのまま退院させるとは!!
というより、向こうの病院のスタッフが
何て言ったかは知りませんが、
医療費が高いから、未熟児だろうとなんだろうと
普通の人はなかなか入院できないんですよね。
で、連日のドタバタのせいでうちのクリニックに来ることもできず、
丸1日家で普通におっぱいを吸わせてみたりしてたらしい。
顔を見て、思わず出た一言「よ~来れたな~」
確かに、体重は小さいけど、
根性が座ってるのか、戦乱の中でも自宅で生きていけそうな、
しっかりした赤ちゃんでした。
そして、昨夜、ついに800gの赤ちゃんが生まれました。
「妊娠6か月」っていってたけど、
もう少し成熟してるかも。
人工呼吸器なしでがんばって呼吸はできてますが、
いかんせん、あっという間に体温が下がってしまいます。
そして、点滴が至難の業。
スタッフが苦心したけど、どうにもとれず、
鼻から胃の中にいれたチューブに
点滴用の砂糖水のようなものを入れて、
なんとか水分と糖分を補えるようにしてました。
お坊さんみたく髪の毛を剃って、
頭の表面のほそ~い血管にやっと点滴が入りましたが、
今後がんばっていけるか、
彼女の生命力に期待です。
妊婦さんに、精神的、あるいは身体的な負担がかかると、
どうしても早産で生まれてくる確率が高くなります。
そして、お母さん自体の健康状態が良くないと、
当然赤ちゃんは小さい。
体重が小さくても、おなかの中にいた週数があると、
肺や脳や皮膚や、他の内臓が成熟してくれてるんですが、
生まれてきた赤ちゃんがどこまで環境の変化に耐えられるか、
こればかりは見守るしかありません。
でも、こうやって書いてしまうと
「赤ちゃんがかわいそう」
とか
「おかあさんが大変だ」
「この子はこれから無事に育つんだろうか」
という話だけが強調されてしまうんですが、
そして、もちろんそういう面は非常に大きいんですが、
産科病棟の師長さんは、
この未熟児ちゃん(日本では、超未熟児、略して超未ちゃんっていいます)
の泣いてる姿を見て、
もうちょっと前向きな、
「この混乱の中で生き延びてくるだけの運があったんだ」
「自分でしっかり泣いて呼吸して、この子は強い」
と話してくれました。
今は本人も大変だし、母国も大変だし、
でも、今頑張れば、明日は変わっていくかもしれない。
変わっていくかも・・ではなくて変えていける。
そして、この子の周りにいる人みんなにとって、
これまでの日常ではなく、
あたらしい日常がやって来ます。
この二人の赤ちゃんを見てると、
そういう風に思えてきます。
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